天然歯保存へのチャレンジ&スタディグループのインプラント教育
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重度な歯周疾患患者の歯の保存532.再生療法による重度歯周疾患罹患歯の保存 歯を保存するためには、歯周組織の歯周支持、すなわち臨床的アタッチメントレベルおよび骨レベルの改善と維持することが前提となる。歯周再生療法は、歯周炎によって生じた付着の喪失と骨欠損を改善する治療技術である。再生療法の発展により、重度な歯周疾患罹患歯の保存する可能性が飛躍的に拡大した(Cortelliniら, 1999、Cortellini & Tonetti, 2004、Stavropoulos & Karring, 2004、Heden & Wennström, 2006)23~26)。そして、高度の技術が求められるようになったが、その基本的な考え方やテクニックはこれまで培われてきた歯周外科をベースにしている。とくに、深い骨縁下欠損に対して高い予知性が実証されたことにより、深い骨縁下欠損に対しては、再生療法を第一選択することが一般的になった(症例2)。 Cortellini & Tonetti(2004)24)はGTRによる深い骨縁下欠損の処置を行った175名の患者(175歯)の歯の喪失とGTRによって獲得された臨床的アタッチメントレベルの長期安定性について観察結果を報告した。術後1年の評価から、平均8±3.4年にわたって2年ごとに定期的に診査された。 その結果、GTR処置後10年以上の長期にわたって96%以上の歯が維持された。175歯中6歯が喪失したが、喪失した6歯の患者はすべて喫煙者で、そのうちの5歯は定期的なメインテナンスプログラムを受けなかった5症例2‐h 初診から10ヵ月(1991年11月)。プロービング値(3D;8mm、5M;8mm、4D;5mm)症例2‐i、j 3の遠心に深さ7mmの1壁性骨縁下欠損、頬側は深い裂開状骨欠損。5歯間部に2~3壁性の混合型骨縁下欠損、5近心の歯間部骨欠損の深さは6mm。症例2‐k 非吸収性膜(W.L. GORE社)の縫合。症例2‐i症例2‐j症例2‐l 術後40日。膜除後の新生組織。症例2‐m~o GTR術後1年5ヵ月(1993年4月)。著明な骨再生。3頬側で約5mmの骨再生を確認する。症例2‐m症例2‐n症例2‐o症例2‐p 初診から1年2ヵ月(1992年2月)。プロービング値(BD;8mm、LD;10mm)。症例2‐q 7の遠心から舌面に幅の広い3壁性骨縁下欠損。症例2‐r 非吸収性膜の縫合。症例2‐p症例2‐q症例2‐r症例2‐s 術後2ヵ月、膜を除去。骨欠損部は完全に新生組織により満たされている。症例2‐t、u GTR後1年1ヵ月(1993年3月)BD;7mm、LD;5.5mmの骨再生を確認。症例2‐s症例2‐t症例2‐u

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