イラストでみる口腔外科手術 第3巻
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再建外科手術術後管理 術後は,fl apの血行動態を絶えずモニターする必要がある.抗血栓療法としては,ウロキナーゼやプロスタグランジン製剤を用いることが多い.血管吻合部に関する問題のほとんどは,術後3日以内に起こっているので,この期間は頻繁にfl apの血流障害をモニターする必要がある.fl apの血行のモニターは,皮弁の色,pin-prick test,レーザードップラー血流計などで判断する.レーザードップラー血流計は,連続して血流の動態をモニターできるが,プローブの位置がずれやすい欠点がある.実用的に信頼性が高いのは pin-prick testである.fl apの皮膚を18G(ゲージ)の注射針で刺して,1~5秒後に鮮紅色の出血があればfl apは健全である.これに対して直ちに暗赤色の出血があれば静脈の潅流障害を,出血がない場合は動脈系の障害を示唆しているので,直ちに救済処置が必要である. fl apの血行管理以外は,通常の術後管理と同じである.※腸骨皮弁による下顎の再建例を示す(図21-18g).図21-18g 口腔外を皮弁で,口腔内を内腹斜筋でカバーした一例を示す.249Microvascular Free Flap

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