補綴力を高める
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90CHAIRSIDEMANUAL 1Modコアインプレッションペースト法を用いたクラウン製作のチェアサイドマニュアルOne Point メタルコアの装着された支台歯の切削に欠かせない圧排コードの利用 圧排コードは、支台歯形成時に歯肉溝にあらかじめ挿入し、歯肉を損傷させないためにも利用される。特にメタルコアが装着された支台歯を切削する場合、メタルの切削片が歯肉を損傷させ、歯肉内部に残存し歯肉色が黒変する場合があるが、この予防にも圧排コードの利用は有効である。STEP 1 支台歯形成終了後、マージン(フィニッシングライン)が歯肉縁下にある場合は、歯肉溝内面とマージン間のスペースを広げる目的で、圧排コードを用いて歯肉圧排を行う(圧排にはエレクトロサージェリーを併用することもある)。STEP 2 圧排コードを取り除き、マージンが肉眼的に確認でき、出血もない状態で印象採得に移る(圧排コードを歯肉溝内に残したまま印象採得を行う方法もある)。STEP 1STEP 1STEP 2STEP 21クラウンの歯頸部歯肉が黒く変色した例クラウンの歯頸部歯肉が黒く変色した例●右側中切歯の支台歯の表面は、歯頸部付近までメタルが占めている。支台歯形成の仕上げをした際のメタルの切削片が歯肉に迷入し、歯頸部歯肉が黒変した可能性が高い。1支台歯形成と歯肉圧排 Modコアインプレッションペースト法は、対合歯列の印象採得と咬合採得を同時に行うことを特徴とする部分模型法の1つで、小範囲の補綴物製作に際し、咬頭嵌合位の再現性に優れている。ここでは、この方法を用いた6クラウンの支台歯形成からクラウン試適までのチェアサイドワークを、各ステップごとに解説していく。

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