垂直歯根破折歯を救え!
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81046325791CHAPTER57 新たに隔壁を作製することが必要な場合は、充填用のボンディングシステムとフロアブルレジンとを用いて、口腔内で直接築盛する方法が簡便である(図4-2)。 隔壁は、長期間装着しているものではなく、破折間隙の封鎖後に除去してしまうため、漏洩がなく、プロービングを障害しなければ、適合性は厳密でなくてもよい。 清掃不十分な破折間隙にボンディング材が流れて硬化すると、感染源が除去できず炎症が改善しなくなるため、接着は歯頸部付近の1㎜程度のみにとどめる。流動性の低い 唾液が多く、レジンを直接築盛するのが困難であれば、印象採得して間接法で作製し、合着する。隔壁の材料は金属でもレジンでもよいが、金属は電気的根管長測定時に電フロアブルレジンを全周に少量築盛して光照射し、硬化したら再度築盛、光照射を繰り返す。必要な形態が得られたらダイヤモンドポイントで形態を修正する。 隔壁に使用したレジンは、そのまま築造体の一部としてもよいが、滲出液などで十分に接着できていない可能性がある場合には、補綴開始時にいったん除去したほうがよい。除去する前提であれば、歯質と異なる色のレジンを使用しておいたほうが除去時に判別しやすい。流が漏洩して不正確になりやすい。合着用セメントはグラスアイオノマーセメントか接着性レジンセメントを用いる。図4-2 フロアブルレジンの築盛による隔壁。3充填用のボンディングシステムとフロアブルレジンを用いた直接法による隔壁の作製法4間接法による隔壁の作製法Tekの作製法手順2 前歯部では最低限の審美性を確保しなければならず、そのためにはTekが必須となるが、咬合によって破折が悪化する危険性がある。また、両隣在歯に接着して固定が十分にできない場合もあるので、状況に応じてTekの作製法を使い分ける。1破折歯と隣接歯状況によるTekの使い分け

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