ITI Treatment Guide Volume 6
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3.5 補綴計画の考慮Extended Edentulous Spaces in the Esthetic Zone 35 インプラント間が過度に近接している場合、インプラントとアバットメントの形態的な特徴によってインプラント間の骨頂の低下が起こるため、インプラント間の軟組織と硬組織による支持は予測がたいへん難しい(Tarnowら、2003;Buserら、2004;Martinら、2007)。これによりインプラント補綴物間の乳頭様組織を支持する骨の高さは不十分となり、その結果、乳頭様組織は低くなって見苦しいブラックトライアングルが生じる。特にこれは前歯部歯冠形態が三角形の患者で顕著である(図14)。 隣接する中切歯と側切歯もしくは、隣接する犬歯と側切歯にインプラント補綴を行う際は特別な配慮が必要である。このような例では、審美的に満足できる補綴物と軟組織カントゥアを形成しつつ、2本のインプラントを隣接して埋入するにはスペースが小さすぎる場合がある。ITI Treatment Guide Volume1で述べられているように、このような隣接したインプラント埋入が望まれない状況では、治療の選択肢を可能なかぎり検討するべきである(Martinら、2007)。このようなゴールに達するためのさまざまな選択肢を図示する(図15a~e)。図15b 中切歯はインプラントで、隣接する側切歯は、カンチレバーで行う補綴。図15c 中切歯と犬歯を2本のインプラントで、間の側切歯にポンティックを応用した補綴。図15d 4前歯に対して2本のインプラントと2個の中間ポンティックを応用した補綴。図15e 6前歯に対して両側の中切歯と犬歯にインプラント、側切歯にポンティックを応用した補綴。図14 隣接面の骨吸収と不十分な高さの乳頭様組織。図15a 両側中切歯の非連結インプラントによる補綴。

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