口腔外科ハンドマニュアル'13
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DENTAL SURGERY UP-TO DATEChapter1-154特集1:インプラント治療を基本から徹底的に見直す[症例1]右側口底扁平上皮癌(T3N2aM0)術後,インプラントにより下顎を再建した症例 68歳,男性図3a 初診時の口腔内所見.腫瘍に一部潰瘍がみられる.待期して移植骨が生着し再発のないことを確認して1年後などに埋入する方法がある.図3に右側口底扁平上皮癌(T3N2aM0)術後にインプラントで下顎を再建した 68歳,男性の症例を供覧する. さらに,眼窩のエピテーゼで移植骨を通して上顎骨に埋入する方法などがあり(図4),機能的なだけにとどまらず,審美的にもきわめて有効な方法として評価されている. インプラントを埋入する骨をいろいろな条件から分類すると,まず「移植骨か残存骨か?」「ブロック骨かPCBM(particulate cancellous bone and marrow)か?」「口腔内からか口腔外からか?」「遊離骨か血管柄付きか?」また,部位が腸骨,腓骨,肋骨,肩甲骨のいずれかなど,種々な選択肢が挙げられる.しかしながら,悪性腫瘍を含めた顎骨の切除となると,口腔外からブロックで採取した移植骨が生着し,再発も感染もみられない腫瘍切除後1年くらいを目安とし,インプラントを埋入する.その際の移植骨の採取はどの部位から行うかについては,意見の分かれるところである(表1). また,特殊な再建方法として上顎がんによる顎骨切除後に用いられるザイゴマインプラントや仮骨延長部に埋入するインプラントなどがある.いずれにしても,この治療法については力学的な見地から過重咬合は避け,残存骨への数本のインプラントと組み合わせることが成功率を上げると考える.図3b 術中所見.両側頸部郭清と離断された下顎骨.図3c インプラントをドルダーバーで結合.図3d 同部位のパノラマエックス線写真.図3d 口腔内に装着されたインプラント義歯.

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