アレキサンダーディシプリン 長期安定性
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7 • 機能的咬合と安定性110abab小臼歯抜歯部Dr. Tweedは小臼歯の抜歯部が閉鎖されるときには歯根を平行にすることを教えてくれた(図7-4, 図7-5). この目的は, 臼歯部の 辺縁隆線の高さを保ち, その部の 歯周組織の健康を改善することである. もし歯根が平行でなく抜歯側に傾斜していたなら, 隣接歯からのプラークを清掃することがより難しくなり, そのため歯周病の問題を起こす傾向を増やすことになるからである. 抜歯側に隣接した歯は, 抜歯スペースに向かって傾斜する傾向があり, 歯根傾斜を引き起こすので, 抜歯症例でのブラケットには, 歯根の傾斜を避けるよう特別の角度をつける. たとえば, 第一小臼歯抜歯では第二小臼歯のブラケットは-3°の角度をつける. 本シリーズ第1巻第7章に, 抜歯治療におけるブラケットと歯根の位置についてのさらなる情報が記載されている. 下顎第一大臼歯下顎第一大臼歯は, 下顎歯列のなかで, 整直させておかなければならない. このことは開咬を除くすべての不正咬合で遂行される. 開咬症例では, 大臼歯の整直はさらに開咬を助長することになるので行われない. 歴史的に私たちは 固定準備することを Tweedテクニックから学んだ. 固定源の準備は, 下顎第一大臼歯や第二大臼歯が整直し遠心に傾斜するように下顎アーチワイヤーにティップバックベンドを入れることによって完成する. 主な目的は, 2級ゴムを用いたときに固定が失われないようにする, あるいは大臼歯が前方にくることを防ぐことである. 私が大学院を修了した初期にブラケットとバンドを注文したとき(1964年)に, 下顎前歯に-5°のトルクを, そして下顎第一大臼歯には-6°の遠心傾斜の角度を求めた. その意図するところは固定準備を行うときのワイヤーベンディングにおける2つ図7-4 第一小臼歯抜歯時では, 第二小臼歯のブラケットは-3°の角度(矢印)に変える. (a)治療前, (b)治療後.図7-5 第二小臼歯抜歯時では, 第一小臼歯のブラケットは+3°の角度(矢印)に変える. (a)治療前, (b)治療後.

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