インプラントオーバーデンチャーのリペア
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2章 2 アタッチメントの壊れるところ2章2インプラントオーバーデンチャーの どこが壊れるのか?アタッチメントの壊れるところ43表2-2-6 5,500回脱着におけるマトリックス別パトリックスの直径の変化2-2-3 磁性アタッチメントの合併症図2-2-6 磁性構造体を覆っているヨーク部が摩耗して、磁石が口腔内に露出してしまい、唾液によって腐食してしまう。磁力の低下は、さらなる義歯の動きを引き起こしてしまう。図2-2-7 左側第一大臼歯部に荷重(50N)を加えた時のIODの移動量。ドーム型磁性アタッチメントは、従来のフラット型よりも、50Nの荷重時の義歯の移動量が少ない( Maeda Y et al. Clin Oral Impl Res 2008;19:271-275.)。表中の数値は、計測1~3の平均値。チタン製パトリックスの直径がもっとも疲労しているのは、チタン製マトリックスである(Branchi R et al. J Prosthodontic 2010; 19: 614-619.)。磁性アタッチメントの合併症で、もっとも頻度が高いのが、磁力の低下です。磁力の低下は、インプラントオーバーデンチャーの維持力の低下に直接的に結びつきます。また、磁性アタッチメントは、他のアタッチメントに比べて、相対的に維持力が低いです。維持力の弱さは、義歯の動きを引き起こします。義歯の移動と回転は、キーパーとの間に摩耗と疲労を引き起こします【図2-2-6】。ヨークが摩耗して、磁性構造体が口腔内にむき出しになってしまうと、唾液によって錆びてしまい磁力の決定的な低下を招いてしまいます。磁性アタッチメントは、定期的な交換を必要とするのです。しかし近年、フラット(平坦)な形態の磁性アタッチメントだけではなく、ドーム型のものが市場に提供されています。ドーム型は、義歯の移動量を少なくするので、アタッチメントの摩耗や疲労を減少させることが示唆されます【図2-2-7】。咬合力による横揺れの繰り返しヨークキーパー磁性構造体ヨーク部の摩耗磁性構造体の露出磁性構造体の唾液などによる腐食磁力の低下フラットドーム型ボール1.61.20.80.40インプラント1本固定インプラント2本固定インプラント1本固定インプラント2本固定フラットドーム型ボール1.61.20.80.40義歯の移動量(mm)義歯の移動量(mm)正中部第一大臼歯部計測3(-24°)計測2(24°)計測1(90°)同種金属で疲労大維持に関与する部位チタン製金合金製O-ring(ゴム製)テフロン製元の大きさマトリックスの種類計測1の直径計測2の直径計測3の直径2.238mm2.237mm2.180mm2.237mm2.237mm2.223mm2.221mm2.143mm2.224mm2.220mm2.225mm2.215mm2.137mm2.227mm2.220mm

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