CAD/CAM YEARBOOK 2013
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57朝日レントゲン工業株式会社CASE PRESENTATIONAmanngirrbach Ceramill を使用した症例はじめに 近年の歯科用CAD/CAM(以下、CAD/CAM)技術の発展にともない、これまでラボサイドでクラウンを製作する際に行われてきたコーンテクニック法やカービング法などの技工作業が、ソフトウェア上で行えるようになってきている。 従来のCAD/CAMでは、ジルコニアやワックスのコーピング、またはフルカントゥアのクラウンを製作する際に、術者がワックスアップしたものをスキャンして削り出す技術(ダブルスキャン技術)が主であった。しかし近年では、多くのCAD/CAMシステムにおいて3Dでのバーチャル咬合器が開発されている。バーチャル咬合器はソフトウェア上で操作することが可能で、これを用いてクラウンの形態をデザインすることができる。 本稿で紹介するAmann Girrbach社のCeramil Artexシステムにおいても、実際に発売されているAmann Girrbach社のArtex咬合器と、ソフトウェア上のCeramill Virtual Articulatorを連動させることで、一連のシステムの中でクラウンを製作することが可能である。その際には、チェックバイト法や顎機能計測装置などで得られたデータをバーチャル咬合器に設定することができ、顎運動を考慮したクラウン形態をデザインすることが可能である。 AmannGirrbach ceramillは、スキャナーであるceramill mapと、ミリングユニットであるceramill motion、およびデザインソフトウェアであるcera-mill mindにより構成される(図1)。 ceramill mapは線型照明式の全自動スキャナーである。Ceramill Fixatorを使用することにより、上下顎の模型をマウントした状態でスキャンすることができ(map300/400)、フレームワークの自動製作を行うceramill mindにリンクしている(図2)。また、オープンインターフェースのスキャナーであることから、スキャンしたSTLファイルを、STLファイルの読み込みが可能な他のCADソフトウェアにダウンロードすることもできる。 ceramill motionはコンパクトな装置に5軸乾式および湿式ミリング技術が組み合わされたミリングマシーンであり、ジルコニアはもちろん、ワックス、PMMA、ガラスセラミック、半焼結コバルトクロムなど多くのマテリアルに対応している。また、スキャナー同様に、オープンインターフェースのスキャナー(3Shape®、Dental Wings®など)がスキャンしたSTLデータにも対応することができる。 ceramill mindは、解剖学的クラウン、ブリッジ、インレー/オンレー、カットバックされたワックスアップ、プレスオーバー、テレスコープ、インプラント、などがデザインできるソフトウェアである。長谷川篤史(歯科技工士:Organ Dental Labo)

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