CADCAM時代の最新インプラント上部構造
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2章 歯科技工士・歯科医師によるCAD/CAM臨床のコラボレーション468)。適合精度については信頼できるが、再度、細部の確認を行うことが重要である。口腔内で位置確認が行われた模型上に適合することを確認したのち、口腔内でも再度、位置確認を行う。従来の、鋳造で製作したフレームをろう着やレーザー溶接によって口腔内と同じ位置関係に組み立てていく方法と比較すれば、いかに効率的で精度が高いかが理解できる。4.患者満足度の高いインプラント上部構造1)最終試適 ISUSフレームに即時重合レジンにて最終形態を整え、最終段階の口腔内試適を行った(図 2-2-9)。まず、口腔内でパッシブフィットが得られているかを確認する。パノラマX線写真においても良好な適合状態が確認できた(図 2-2-10)。この段階では、咬合確認や歯冠・歯肉の調和、特にリップサポートや舌感を含めた発音障害がないかなど、術者サイドのチェックだけではなく、患者から要望などを十分引き出すことも重要である。2)フェイシング工程 削り出されたチタンフレームにはハイブリッドレジン前装のための機械的なリテンションがないため、ロカテック処理とメタルプライマーを塗布し、接着強度を高める。 歯冠色および歯肉色のハイブリッドレジンを直接築盛して形態を整え、歯冠へ移行する歯肉部と表面全体に透明感を持たせ、自然に仕上げた(図 2-2-11、12)。ガム色は豊富なバリエーションがラインアップされており、再現性が高い。図 2-2-7 スキャニング模型にパッシブフィットするISUSフレーム。図 2-2-8 ダブルスキャニングしたレジンフレームが精度よく再現されている。図 2-2-9 レジンモールド試適で、適合や形態などの最終確認。図 2-2-10 パノラマX線写真。適合は良好。

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