インプラントYEAR BOOK 2014
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207スプライン®ツイストTM/テーパードスクリューベント®/テーパードスイスプラス®/インプラントシステムスプラインHAインプラントの臨床応用中村雅之(Nakamura,Masayuki)(東京都江東区開業:中村歯科医院)1993年 日本大学松戸歯学部卒業2000年 中村歯科医院開院所属・役職:PRGF System Institute Japan 理事・指導医,国際口腔インプラント学会指導医,日本口腔インプラント学会認証医,日本顎咬合学会認定医,日本大学松戸歯学部口腔インプラント学講座非常勤,SPLINE IMPLANT ADVISERはじめに 超高齢社会において健康寿命をいかに延伸させるかが重要となってきており,『歯』の健康が全身の健康維持にかかわっていることを,2010年に武田,林1)が「欠損ドミノ」として提唱した.インプラント治療は咀嚼機能の回復を実現し,そのことによりQuality of Life(QOL)の維持や社会復帰することを目的と考えている.そのためには,特に多数歯欠損および歯周病などにより咀嚼機能が低下する高齢者においては残存歯の保存も考慮し,治療期間中および治療後ともに負担が少なく,治療期間の短縮にも効果的な治療法が必要であると考える. 言い換えると,治療期間をある程度予測し,明確にしながら良好な結果を得ることが重要である.さらに欠損歯列に維持安定を付与し,長期にわたり継続するよう考慮しなければならない.スプラインHAインプラントの特長 Buserら2)は唇側骨壁とフィクスチャー間のギャップが2mm を超える場合には,著しい水平的骨吸収を生じることが予測されることから,骨再生を促すための同時骨造成の必要性があるとしている. 一方,Strnadら3)はアルミナ砂でサンドブラスト処理をしたTiインプラントとその表面にプラズマ溶射して50μmのHAコーティングをしたインプラントの比較を報告し,HAコーティングをしたインプラントでは1.0mm以上のギャップを許容する高い骨伝導能があると述べている.菅原4)は,骨伝導性を示すBioactive(生体活性)・Non-Bioresorab-able(生体非吸収性)性状を示すHA(ハイドロキシアパタイト)がフィクスチャー全面にコーティングされ,骨とインプラントの界面に骨形成のマトリックスとなるカルシウムブリッジを形成し,高い骨伝導能を発揮して長期にわたり強固に骨と直接結合するとともに安定的に存在することが可能であるとしている. また,インプラントが生体内で骨瘤のように親和

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