咬合治療ナビゲーション
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咬合治療ナビゲーション編Ⅰ43 「Overbite」は俗称で、GPT-8(The Glossary of Prosthodontic Terms-eighth edi-tion) では vertical overlap(垂直被蓋)が正しい。歯が対合歯と重なった部分の垂直距離をさす。特に上下前歯切縁の垂直被蓋は臼歯離開に直接関係する要素で、3~4mmの距離が必要である。 垂直被蓋が小さい場合や、open biteでは臼歯離開が起こりにくく、臼歯や顎関節への負担が増加する。また、逆に垂直被蓋が大きいdeep biteの症例では、臼歯の離開量が大きくなって咀嚼効率が悪くなったり、下顎の前方への誘導が妨げられ顎関節機能に問題が生じる可能性がある。 一方、「Overjet」は俗称で、GPT-8ではhorizontal overlap(水平被蓋)が正しい。水平面において、歯が対合歯を越えて突出していること。水平被蓋は3mm程度が望ましいが、垂直被蓋とのバランスが重要である。 上顎前突(Ⅱ級 1類)症例 のように水平被蓋が3mm以上であっても、咬頭嵌合位から上下前歯のアンテリアカップリングが得られる位置まで臼歯部が誘導しなければならない場合は、臼歯部の負担が増大する。また、水平被蓋が小さいか、Ⅲ級症例のようにマイナスの場合は、臼歯離開が得にくく臼歯や顎関節の負担が増大することになる。図Ⅰ-2-14a、b Overjet、Overbiteの測定。Overbite、Oberjetの診査(図Ⅰ-2-14)1手順ba

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