パーシャルデンチャーのつくり方
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129Part3 ケネディー分類Ⅲ・Ⅳ級(片側性中間欠損/前歯中間欠損) 図3のパノラマエックス線写真は,初診時のものである.の動揺が大きく,歯槽骨の吸収も著しく,保存不能と判断,患者の希望にそって抜歯を行った. はレジン充填が施されていたが,変色が強く,歯髄は失活していたため,根管治療を行い歯冠用硬質レジンで修復を行った(図4). 失活歯であるインレーかレジン充填で修復されている,およびも本来ならばクラウン修復が適当と考えられたが,義歯による支台歯への負担がさほど大きくないこと,患者の年齢および希望も考慮して,今回は義歯に支障がない場合を除いて広義の前処置は行わなかった(図5,6). 狭義の前処置としては,直接支台装置のすべてにレストおよびガイドプレーンを付与した.研究用模型上での仮設計の時点でサベイングを行ったが,とくに頬舌的な歯冠形態の修正は行っていない.年齢を考慮すると,歯槽骨の吸収は少なく,プラークコントロールも良好である. ただし,上顎の歯頸部を見ると,根面う蝕のリスクは無視できないので,口腔内の状況を説明し,セルフメインテナンス,口腔ケアの重要性についてモチベーションを上げるように指導した.2. Preoperative Procedure図5 前処置後の咬合面観.図6 前処置後の研究用模型.図3 初診時パノラマエックス線写真.図4 充填後の正面観.

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