人はなぜ歯周病になってしまうのか?
3/4

42はじめに いったん失った遺伝子が復活するというのは,確率論的にはかなり稀なことだろう.でもそのおかげで,われわれははっきりと色を識別できるのだ.本章では進化とともに遺伝子を獲得した例を紹介してみたい.恐竜怖い! 『ジュラシック・パーク』を見る限り,恐竜は怖い.第Ⅱ部進化第2章進化とともに獲得したものとくに肉食恐竜は怖い.『ドラえもん』でかわいいキャラの恐竜も出てきたような気がするが,基本的に恐竜は他の動物にとっては巨大で怖いものだ.2億年くらい前の恐竜全盛期,他の動物はどうしていたのだろう? おそらく日中は逃げ惑うこともあるだろうし,比較的安全な夜間に行動する動物が増えていったのではないだろうか? いや,もう少し正確に言えば,日中しか活動できない動物の数が減り,夜間に活動できる動物の数が増えたのではないだろうか? 恐竜が幅を利かせていたとき,どうやら天変地異が起こったようだ.恐竜はもとより他の動物もかなりの数が激減したのだ.この原因には諸説あるようだが,巨大な隕石(小惑星)が落下したという説が最有力のようである(図1).初めてこの話を聞いた時にはロマンのような感動を受けたものだが,まったく信用していなかった.しかしながら,研究レポートを見てみると,今から約6,550万年前にメキシコ湾のユカタン半島あたりに落ちたとされている小惑星の影響が大きかったらしい.『サイエンス』の2010年3月号によると,その小惑星の大きさは直径10~15km,衝突速度は約20km/s,衝突時のエネルギーは広島型原子爆弾の約10億倍で,衝突地点付近で発生した地震の規模はマグニチュード11以上,生じた津波は高さ約300メートルと推定されている1. 衝突にともなう粉塵や煤煙で太陽光が遮断され,食物連鎖の底辺から生物の約7割が滅亡したとされている.これまでの研究で,現在までに5回の生物の大絶滅が起こっており,この小惑星の衝突の影響は一番最近のものである.これからも生物の大絶滅図1 巨大な隕石あるいは小惑星の衝突が恐竜の絶滅に影響した……らしい.▶巨大隕石落下

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です