インプラントのための重要12キーワード・ベスト240論文
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インプラントのための重要キーワード12(関連性の高い論文和訳)13引用数位多血小板血漿(PRP)は完璧な促進因子か? 最新のレビュー12引用数位 顎骨内に埋入されたインプラントは、確実な初期固定を得るのに十分な量の骨がインプラント周囲にあり、オッセオインテグレーション獲得後に咬合力に耐えられる場合に高い予知性を示す。上顎の遠心では上顎洞の近接により十分な骨の量がない場合がしばしばある。本研究の目的はインプラント同時埋入をさまざまな骨移植材料で行ったサイナスリフトを組織学的に評価することである。5匹のビーグル犬の9つの上顎洞に9本のチタンインプラント(ITI Dental Implant System)を埋入し、上顎洞のスペースはヒト皮質骨由来の脱灰凍結乾燥骨(Musculoskeletal Transplant Founda-tion)、吸収性ハイドロキシアパタイト(Osteogen)、無機ウシ海綿骨(Bio-Oss)のいずれかを移植した。骨形成を調べるため蛍光色素マーカー(塩酸テトラサイクリンとカルセイングリーン)を2週目と8週目に注射した。臨床的にすべてのインプラントは問題なく治癒し、インプラント埋入後5ヵ月で組織学的評価のため屠殺が行われた。すべてのインプラントは上顎洞底の既存皮質骨にオッセオインテグレーションしていた。インプラント周囲に移植したヒト由来の脱灰凍結乾燥骨には新生骨の形成は認められなかったのに対し、ハイドロキシアパタイトと無機ウシ骨を移植した群ではインプラント表面に直接新生骨の形成が認められた。骨-インプラント接触の平均は埋入したインプラントの長さに対し、それぞれ25%(SD=10.6%) と27%(SD=8.8%)であった。加えて骨標識からは、無機ウシ海綿骨顆粒の周囲で早い骨の形成とリモデリングが認められた。この研究から、インプラント埋入と同時に適切な骨移植材料が用いられた場合にはインプラント表面へ直接的に新生骨が形成されることが明らかとなった。吸収性ハイドロキシアパタイト(Osteogen)と無機ウシ海綿骨(Bio-Oss)は骨伝導性があり、それゆえインプラント周囲への骨形成に適している。�(Wetzel AC, et al. Clin Oral Implants Res 1995;6(3):155-163.) 骨再生誘導法(GBR)は局所的な歯槽骨の欠損部に対して骨の量と質を補うためにインプラント治療で広く用いられている方法である。さまざまな骨移植材料を用いた骨再生の予知性が不確かであるために、これらの材料の骨誘導能の向上が非常に期待される。多血小板血漿(PRP)は自家血由来のフィブリン糊を改良したもので、骨移植が必要な部位へ成長因子を高濃度で配合するのに用いられている。血小板から発生する成長因子としてはPDGF、TGF-β、EGF、PDAF、IGF-1 、PF4などがある。これらの因子は局所の間葉細胞と上皮細胞に作用し遊走分化を促しコラーゲンやマトリックスの合成を促進する。PRPは移植部への骨の沈着速度と骨質の向上のために、インプラント埋入に先立って、もしくは同時に用いることが提案されてきた。インプラントに関する論文でヒトにPRPを用いた研究は6つしかなく、そのうちの5つが症例報告もしくはレポートであった。したがって、移植の際に骨移植とPRPを併用することを支持する科学的エビデンスは明らかに欠けている。この可能性を秘めた新しい技術の有効性を示すためには、適切に設計し管理された研究によるエビデンスが必要である。�(Sánchez AR, et al. Int J Oral Maxillofac Implants 2003;18(1):93-103.)異なる骨移植材料を適用した上顎洞におけるインプラントでの骨形成-ビーグル犬での組織学的検討18

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