インプラントのための重要12キーワード・ベスト240論文
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講演や雑誌でよく見る、あの分類および文献Kois(コイス)が2001年に提唱した、単独歯インプラント周囲において予知性の高い審美性を得るための5つの診断基準(Kois’s five diagnostic keys)。治療の難易度や審美障害のリスクを判断:①~⑤①抜歯対象歯の相対的な位置関係:抜歯対象歯の辺縁歯肉が隣在歯と比較してより歯冠側に位置していることが望ましく、通常の位置であったり、根尖側に位置していると審美障害が生じやすくなる。②歯肉形態:乳頭歯肉と歯肉辺縁との距離が大きいほど「high scallop」とされ、抜歯後の審美障害のリスクが高い順に「high」、「normal」、「flat」に分類される。③歯肉のバイオタイプ:「thin」と「thick」に分類される。thinタイプのほうが唇側に歯肉退縮を生じるリスクが高い。④歯牙形態:歯肉退縮、ブラックトライアングルの生じるリスクが高い順に「triangular(三角形)」、「ovoid(卵円形)」、「square(四角形)」と分類される。⑤骨頂の位置:遊離歯肉から歯槽骨頂までの垂直的距離が大きいほど「low crest」とされ、歯肉退縮のリスクが高い順に「low」、「nomal」、「high」と分類される。5Koisのインプラント審美のための5つの診断基準出典 Kois JC. Predictable single tooth peri-implant esthetics: five diagnostic keys. Compend Contin Educ Dent 2001;22(3):199-206.調和のとれた歯肉形態における歯肉辺縁からインプラントショルダーまでの距離は約3〜4 mm、乳頭歯肉頂から骨頂までの距離は約4 mmである。審美的な結果を得るため、術前に5つの診断基準を用いて確実に診断することが重要である。137

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