歯内・歯周・補綴治療の臨床判断
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247PROSTHODONTICS咬合再構成はどのような手順で行うか咬合再構成はどのような手順で行うか 修復治療を行う際は、その患者に必要な修復治療を分類したLytle & Skurowの分類に従うと理解しやすい1)。 ClassⅠ、ClassⅡの症例では、現状の咬合を維持しながら治療を進め、治療該当歯以外の歯の咬合接触を変更することなくゴールに至る。既存の下顎位を変更することがないことから、治療もスムーズに行える。 一方、ClassⅢ、ClassⅣの症例では、既存の下顎位を変更するため(今ある歯の咬合接触が存在しない状態)、理想的な下顎位を模索せざるを得ない。また、それに伴って咬合高径の診査・診断も必要不可欠になり治療過程も複雑になる。 ここでは、どのタイミングで下顎位または咬合高径を修正し、最終補綴物の下顎位を導くかについて、具体的に考えたいと思う。Chapter 4-5SummaryLytle & Skurowの分類クラウンやブリッジによる修復・補綴治療(1/3顎以内を目安とする)臨床的に健康なものから中等度の歯周炎までの状態生理的咬合または咬合調整によって改善できる状態高度な歯周組織の崩壊により、び慢性の動揺が見られ、二次性咬合性外傷を引き起こし、そのままでは歯周組織の改善と咬合の安定を得られないため、スプリントによる歯列の固定を必要とする状態(治療上、クロスアーチスプリントを必要とする症例も含まれる)ClassⅡ クラウンブリッジClassⅣ 歯周補綴歯・歯列歯・歯列歯周組織咬合歯・歯列歯周組織個々の歯の簡単な修復治療(う蝕・知覚過敏)臨床的に健康なものから中等度の歯周炎までの状態生理的咬合または咬合調整によって改善できる状態過度の咬耗、不適合補綴物、う蝕、欠損歯もしくはこれらの組み合わせにより、歯列の完全なリコンストラクションによる修復治療臨床的に健康なものから中等度の歯周炎までの状態咬合再構成の手法を用いて、前歯部・臼歯部ともに全顎的な再構成を必要とする状態ClassⅠ 保存修復ClassⅢ オクルーザルリコンストラクション歯・歯列歯・歯列歯周組織歯周組織咬 合咬 合咬 合

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