生体と調和する歯周組織にやさしい歯冠修復物
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レーや部分被覆冠、図C①~③に示す歯質の削除量を最小限におさえたピンレッジブリッジなどの修復物である。 また、視点を広げると、歯周環境が生物学的幅径を保っている修復物(図D①~④)とも言うことができ、これらは時間が経過しても歯周組織を健康な状態に維持できる場を備えていると言える。 本書で筆者が述べる「歯周組織にやさしい」とは、①支台歯や歯肉に影響を与えないこと②歯周組織への力の影響を防ぐことの両立を意味する。1)支台歯や歯肉に影響を与えない歯冠修復物とは たとえば、①に該当するのは、歯質が多く残ったイン1図C①~② 周環境は元のままである。結果として支台歯、歯肉にやさしい修復物となった(症例提供A)。2図C③ 装着後6年6ヵ月経過。支台歯、歯肉にやさしい修復物となっている。3図D①~④生物学的幅径を保っている修復物であれば経年的に歯周組織の健康を維持できる図C①~③歯質の削除量を最小限に抑えた修復物は歯周組織や支台歯にやさしい2134図D①~④ 若い22歳の患者で歯周病もなく、正常な生物学的幅径に近い状態である。歯冠部には解剖学的形態を与え、歯槽骨頂から歯間乳頭頂までの距離を約5.0mmの位置に設定して製作した。装着後、歯間乳頭部は自然に歯肉で埋まり、8年以上経過した現在でも炎症や歯肉退縮は起きていない(症例提供A)。3「歯周組織にやさしい」は、歯周組織と力の2方面から達成される

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