総義歯治療 失敗回避のためのポイント45
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109第2部 治療編ゴシックアーチ描記法の記録法~記録床のつくり方と咬合器の扱い方~2.咬合床の製作パラフィンワックスを軟化しロール状に丸め,顎堤弓の形態を参考に基礎床と連結します.基礎床と咬合堤は移行的になるようワックスを加減し,すでに採得されている上顎咬合床に合致するように咬合平面および唇面を修正します.3.描記板・描記針の取り付け仮想咬合平面と描記板が,同一平面となるように咬合床の咬合面に温めた描記板を取り付けます. 誘導棒を用いて,描記板の中央が黒色円板の穴となるように両面テープなどで接着します(図2-16-3).ユーティリティーワックス,ステッキーワックス,石膏などを併用して描記針を黒色円板の穴に差し込み描記針基底部を固定します.描記針が仮想咬合平面と垂直となるように設定することが重要です.また,上下顎記録床に咬合器を装着した状態で,描記針が描記板に接触していること,インサイザルピンがインサイザルテーブルに接触していることを咬合紙を用いて確認してください(図2-16-4).Ⅲ ゴシックアーチの描記法1.前方滑走運動,左右側方運動の描記口腔内に記録床を装着し,適合を確認します.前方滑走運動,左右側方運動がスムーズにできるように十分に練習を行います.その後,描記板に記録用インクを塗布し,前方滑走運動,左右側方運動の描記を行います.2.タッピングポイントの印記咬合紙を用いて,タッピング運動を指示し習慣性開閉口運動の終末位を印記します.ゴシックアーチの描記およびタッピングポイントの印記が終了後,記録床を咬合器に装着し咬合器を開閉させ,咬合器上での描記針の位置を描記板に印記します.アペックス(ゴシックアーチの矢印の頂点)と咬合器上の描記針の位置関係を確認します.Ⅳ 咬合器の扱い方1.作業用模型の再装着が必要な場合アペックスと咬合器上での描記針の位置およびタッピングポイントが2 mm以上離れているⅢ ゴシックアーチの描記法Ⅳ 咬合器の扱い方図2-16-3 描記針の取り付け.図2-16-4 インサイザルピンがインサイザルテーブルに接触している.

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