総義歯治療 失敗回避のためのポイント45
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157第3部 メインテナンス編粘膜を咬んでしまうと言われたら 頬粘膜を巻き込み,頬粘膜を咬むことがあります.5.咬合平面が不良である場合咬合平面が舌背より低い場合,舌辺縁が咬合面にのり上げやすく舌を咬むことがあります(図3-4-2).6.そのほかの原因長期間にわたって歯の欠損を放置し,義歯を装着していなかった場合や,小さすぎる義歯を装着していた場合,頬粘膜のたるみや舌の肥大などの形態的な変化が生じ,新義歯の装着時に咬傷を起こしやすい状態となっていることがあります.Ⅱ 対処法1.咬合調整や臼歯部水平被蓋の改善咬合調整不足の場合は,適切な咬合接触関係となるように咬合調整を行います.水平被蓋が不足している場合は,下顎の頬側咬頭外斜面を斜めに削合し,上下人工歯に水平被蓋をつけます.削合した面は,シリコーンポイントなどでていねいに研磨しておくことが大切です(図3-4-3).2.義歯床研磨面形態の改善研磨面の豊隆不足がみられる場合,チェアーサイドにて常温重合レジンを添加し,適切な豊隆を付与することができます.Ⅱ 対処法図3-4-2a, b 咬合平面が低すぎる.咬合平面が舌背より低い場合,舌辺縁が咬合面にのり上げやすく舌を咬むことがある(参考文献3より許可を得て転載).図3-4-3a, b 水平被蓋の改善.下顎の頬側咬頭外斜面を削合し,水平被蓋を大きくする.コンマ数ミリで解消する場合もある.abab

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