ザ・クリニカルデンティストリー
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224 患者は42歳,女性.下顎左側臼歯部欠損による咀嚼障害を主訴として来院した.主訴部位である欠損は,う蝕で保存不可能になり,1年前に抜歯したとのことであった.患者と相談の結果,部分床義歯ではなくインプラント治療にて欠損補綴を行うことで,咀嚼障害を改善することとした.456部は垂直的な骨欠損はわずかであるが,頬側の水平的な骨吸収が大きかった.その骨吸収には骨補填材と,BECS(bone enhancing cover screw)を用いたチタンメッシュでのGBRで骨造大を図り,インプラント治療を行う計画を立案した.症例の概要 患者 42歳,女性主訴 左下臼歯部欠損による咀嚼障害歯科的既往歴 456は1年前に抜歯後,放置する喫煙 なし初診時3GBRにおけるチタンメッシュの固定法チタンメッシュを固定するためにBECS(bone enhancing cover screw)を用いた症例猪子光晴北海道・いのこ歯科医院456baFig 1a, b 456部に欠損を認めた.Fig 2 CT像.456部の頬側にGBRが必要な水平的な骨吸収を認めた.BECSミニスクリュー固定dFig 3a~c BECSの構造.インプラントを埋入後,カバースクリューの代わりにBECSを装着し,チタンメッシュをBECS専用カバースクリューで固定する.Fig 3d 左:従来の方法のミニスクリューでの固定では,チタンメッシュを固定するために舌側もチタンメッシュを長くする必要があり,露出の危険性が大きくなる.右:BECSでの固定.ミニスクリューを用いないため,チタンメッシュを短くでき,露出の危険性を低減できる.abcPossibilityCHAPTER4

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