日本審美歯科協会30年の歩み
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ソケットプリザベーションを用いたインプラント審美修復①骨補填材の填入のみ②吸収性膜を骨裂開部に放置したうえで骨移植を行う③ 骨移植を行い,抜歯窩開窓部シリコーン膜付きのコラーゲン等で覆う④骨移植を行い,ポンティックで抜歯窩を圧接する⑤抜歯窩に非吸収性膜を用いて骨造成を行うなどが挙げられる.これらの手法のうち,抜歯窩の骨壁数や形態,そして部位により適した手法を選択することが大切である.2. 患者データおよび臨床所見初診日:2007年5月11日年齢・性別:45歳,女性.主訴:上顎右側臼歯の歯肉腫脹.全体的に治療してほしい.歯科的既往歴:₆は10年前に他医院にて治療を受けた.その後,定期的にメインテナンスを受けてきたが,₅₄セラミック部は数年前にはヒビが入った.₄は歯の動揺と臭いを感じていた.10日前₄頬側歯肉が腫脹してきたため,来院.全身的既往歴:特記すべき事項なし.臨床所見:腫脹した₄はデンタルエックス線診査により歯根破折を認めた.患者は全体的な治療を希望されたため,デンタルエックス線写真10枚法にて診査したところ,数歯に根尖病変を認めた.歯肉に強い炎症所見は認められず,病的な歯周ポケットはほとんど認められなかった.図4 術前のデンタルエックス線10枚法.₄は明らかな歯根破折であることが確認できる.₄は歯根周囲にわたる骨透過像から歯根破折を疑わせる.₆,₆₅には著明な根尖病変が認められる.図3a~e 初診時口腔内5枚法.術前の口腔内写真.全顎的に歯肉退縮ならびに不適合な補綴物を認めるが,歯肉には₄を除き発赤等の著明な炎症所見は認められない.図3a図3b図3c図3d図3e107

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