臨床家のための矯正 YEAR BOOK 2014
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044臨床家のための矯正YEARBOOK 2014特集 セルフライゲーティングシステムを知る力(シーティングフォース)を発現する(図4).この構造によって,パッシブ,アクティブ,インタラクティブという3つのステージが存在する.パッシブステージとは,ワイヤーがクリップに当たらない状態をいい,スロットとワイヤー間の摩擦が最小の状態を指す.0.022スロットのブラケットでは,0.018×0.018インチのワイヤーはこれに相当するとされ,治療初期のレベリングに細いワイヤーを使用すると,スロットとの摩擦を低く抑えることが可能となり,従来のブラケットに比べて,レベリング期間を短縮できるというクリッピーの特性を生み出している.アクティブステージとは,クリップが棚から離れた状態で,クリップがワイヤーをスロット底に向けてアクティブに固定する状態を指している.0.022スロットのブラケットでは,0.018×0.025インチ以上のワイヤーはこれに相当するとされている.イン図2a~h クリッピー各部の名称.a:クリップ(アクティブキャップ ),b:スロットブロッカー,c:クリップストッパー,d:棚,e:歯肉側壁(0.0195インチ),f:スロット底(0.0225インチ),g:咬合面側壁(0.0285インチ),h:ストッパー.図3 スロット径の変化.図6a スロットとラウンドワイヤーの関係.図6b スロットとスクウェアーワイヤーおよびレクタンギュラーワイヤーの関係.図4 クリップの力.アクティブキャップは,0~0.0145インチの可動域を有し,これにより約84~365gの力(シーティングフォース)が発現する.図5a~c クリッピー(0.022インチスロット)の3つのステージ.a:パッシブステージ(0.018×0.018インチワイヤー),b:インタラクティブステージ(0.020×0.020インチワイヤー),c:アクティブステージ(0.019×0.025インチワイヤー).abcdefghcba+α+α0.02850.022583.7g365.5g0.01950.0220.0220.0200.0210.0200.0190.0180.0160.01950.0180.0200.0220.0250.0280.0180.0160.0140.0120.0100.0120.0160.0180.0200.0220.0282453

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