歯科矯正用アンカースクリューの基礎と実践
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49初診時所見診断と治療計画初診時図3 初診時のセファロトレースとOCライン・SDライン.大臼歯の咬合関係は左右Angle I級で,オーバージェット3mm,オーバーバイト-1mm,アーチレングスディスクレパンシーは上顎-9mm,下顎-10mmであり,上顎右側犬歯低位唇側転位と上下顎前歯叢生が認められる.側面セファロ分析では,SNA 75°,SNB 69°,ANB 6°,FMA 47.5°,FMIA 41.5°,U1-NA 9.5mm,L1-NB 13.5mm,上下顎中切歯歯軸傾斜角 112.5°だった.Angle I級,骨格性Ⅱ級と診断し,.022インチ・エッジワイズアプライアンスを用いて上下顎前歯部叢生と歯列弓形態の改善を行うこととした.上下顎左右側第一小臼歯を抜歯後,上顎左右側第一大臼歯,下顎左右側第二大臼歯近心歯槽部にISA Advance(以下ISA)を植立し,これを固定源とする.OCラインから,咬合平面は標準より下方にあるが1SDの範囲にあった(図3).しかし下顔面高が大きくハイアングルのため,臼歯の挺出に留意する必要がある.

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