TMD YEARBOOK 2014
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502章 TMD患者への医療面接別冊the Quintessence 「TMD YEARBOOK 2014」 「医療面接」という言葉は,以前は「問診」と同じような感覚で使用され,両者の違いは曖昧であった.しかし,その違いを考えてみると,「問診」はどちらかといえば「科学的側面を重要視」して,医療者が患者に向かって一方的に質問する従来型の方法というイメージが強い.一方,「医療面接」は,患者を「痛みや不安を抱えた1人の人間として尊重し,向き合うことを重要視」して,患者との信頼関係を重視するようなイメージとなる.また,医療面接は初診時に行われるだけでなく,医療者と患者の出会いから転帰に至るまでのすべての時間軸において行われる言葉の医療行為である(図1).医療面接で大事なのは「患者に何が起きているのか?」「どうしたら患者に起きた問題を解決できるか?」など医療者が自分の頭で考える過程である. 現在考えられている医療面接の目的の3つの柱を図2に示す.治療心身両面の対応.インフォームドコンセントを十分とる診断身体・精神・環境面からの評価ラポール傾聴と共感から患者を受け入れ,患者からの信頼を得る1)問診と医療面接ラポールの形成・プライバシーの保持・感情面への対応患者への情報提供・診療の方針の交渉と合意医療者と患者の信頼関係の確立患者からの病歴聴取・情報収集病歴を知る・患者を知る,いわゆる問診患者教育と動機づけ医療面接の目的図1医療面接の目的の柱図21.TMD患者の医療面接の基礎Part1TMD患者への一般的な医療面接島田 淳*1,6/和気裕之*2,6/澁谷智明*3,6/宮地英雄*4/玉置勝司*5,6*1東京都開業 グリーンデンタルクリニック,*2神奈川県開業 みどり小児歯科,*3日立製作所横浜診療所歯科口腔外科,*4北里大学医学部精神科,*5神奈川歯科大学顎咬合機能回復補綴医学講座,*6神奈川歯科大学附属病院特殊義歯・リエゾン診療科代表連絡先:*1〒102‐0076 東京都千代田区五番町5‐6 ビラカーサ五番町1F

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