TMD YEARBOOK 2014
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51Part1 TMD患者への一般的な医療面接別冊the Quintessence 「TMD YEARBOOK 2014」 繰り返しになるが,医療面接とは「痛みや不安を抱えた1人の人間として尊重し,向き合うことを重要視」した言葉の医療行為である.よって,患者の痛みや不安を受け止め,信頼される関係を築くことがよい治療効果をもたらす. そのための基本姿勢としては,心身医学・全人的医療と繋がる,いわゆる簡易精神療法(支持的精神療法)である,傾聴・共感・受容・支持・保証という手法が基本となる(図3).受容保証共感傾聴支持医療面接の基本姿勢 実際の医療面接においては,まず,患者が思っていることを話してもらう.この時,「とにかく聴くこと」つまりは「傾聴」が大切である. 傾聴は「あなたの訴えを,関心をもって聴いていますよ」という姿勢が伝わるようにすることが重要で,実際に関心をもって話を聞かなければ引き出すことができない話もある.患者に興味をもつことは,患者それぞれの多様性に気づくことである. 傾聴していることを患者に示すための基本的な技は,相手の語尾を繰り返すことである.また,時に沈黙すること,頷くこと,相槌を打つことや患者の話したことを確認することも必要である.傾聴はまた,後に述べる共感・受容をもって行うべきで,日常生活においてもつねに心がけておくとよい.傾聴2)医療面接の基本姿勢:傾聴・共感・受容・支持・保証POINT☞☞☞「あなたの訴えを,関心をもって聴いていますよ」という姿勢が伝わるようにする図33)傾聴・共感・受容・支持・保証の詳細とポイント

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