誰もが遭遇するインプラント補綴の合併症
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図5-2 スタッド型アタッチメント(ボール&ソケット)はインプラント体に直接ネジ込むために、インプラント体の埋入方向や平行性に大きな影響を受ける。アタッチメントの相互的角度許容範囲を超えた場合には、維持力の低下のみならず、アタッチメントの摩耗や破損を惹起する可能性もある。 IOD はインプラントの補綴装置の中でも特に合併症が多く発生しやすいと言われているが4)、アタッチメント関連(維持力低下・破折・破損など)と、本章の最後で述べる義歯床や人工歯に関連したものに大別できる。 これらが発生してしまう要因の一つに、インプラントの不良な埋入方向、平行性が挙げられる。 IOD を選択する場合は、埋入前の治療計画段階からインプラントの平行性を必ず考慮しなくてはならない(図5-2)。特にインプラントを連結しないスタッド型アタッチメントを選択する場合は、使用するアタッチメントの角度許容量を超えない範囲に埋入方向が規制される(表5-4)。IODの合併症の原因となるインプラント埋入方向の不良5-21.インプラント埋入方向の不良がオーバーデンチャーに与えるリスク必要知識インプラントの平行性とIODの角度許容表5-4 IOD に使用する各アタッチメントの許容角度アタッチメントの種類インプラントの許容角度バータイプ(バー&クリップ)・�CAD/CAMあるいは鋳造により角度許容の自由度は高いスタッドタイプ(ボール&ソケット)・最大30°アンカータイプ(ERA、ロケーター)・最大40°(ロケーター)磁性・�CAD/CAM 製キーパーの場合は角度許容の自由度は高い〇×力のかかる方向摩耗・破損を惹起する部分5章インプラントオーバーデンチャー(IOD)に関する合併症82

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