その補綴に根拠はあるか
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治療選択のコンセプト治療計画の立案初期治療・前処置支台歯の選択設計・製作メインテナンス・経過観察咬合調整Check!計画に基づいて的確に治療を実施するために必要なことは?2診査・診断~計画立案と合意~実際の治療~メインテナンスに至る一連の流れの中で、重要な7つのポイントを押さえることです図3 患者は下顎義歯での疼痛ならびに咀嚼障害を主訴に来院した。術前(初診時)のパノラマエックス線写真。残存歯には水平性の骨吸収をともなう歯周疾患が認められた。図4 上顎前歯の前処置完了時のパノラマエックス線写真。表3 プラークコントロールしやすい環境とするうえで問題となる部位表4 本症例におけるプロブレムリスト 症例は60歳の男性で、下顎義歯での疼痛ならびに咀嚼障害を主訴に来院した。全身的な既往歴に特記事項はない。 残存歯には水平性の骨吸収をともなう歯周疾患が認められ、また、上顎前歯部のブリッジならびに下顎犬歯には2度の動揺が観察され、臼歯部における咬合高径の低下にともなう、前歯部への突き上げが生じたと推測された(図3、4)。 プロブレムリストの作成においては、中村ら4の提唱するプラークコントロール上の問題となる部位が存在するか確認する(表3)。本症例の場合、プロブレムリストには表4のような点が挙げられた。 本稿では、部分欠損症例でパーシャルデンチャーかインプラントかの選択を検討したケースをもとに、7つのポイントを考慮して治療計画立案と実際の臨床を行った例を紹介する。プラークコントロールの不良深い歯周ポケット(表3の①)歯肉縁下う蝕(表3の⑤)臼歯部での咬合高径の低下深い歯周ポケット1歯肉縁下う蝕5骨形態の異常2歯根の近接6根分岐部病変3歯槽顎堤形態の異常7付着歯肉の不足4プロブレムリストを作成するPoint2全身と口腔内の状況を検査・記録し問題点を把握するPoint118

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