別冊 YEARBOOK 2015 治療計画プランBの歯科臨床
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別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2015」 数年前までは,欠損補綴に対してのファーストチョイス,つまりプランAは間違いなくインプラントを主体とするものであった.その理由は,長期安定性に優れていると考えていたからであった.しかし,筆者自身もインプラント周囲病変による失敗症例を経験してからはコンサルテーションも控え,徐々にインプラントの埋入が減少する傾向にあった.今回報告する症例を手がけたころはまぎれもなくインプラント治療がもっとも遊離端欠損補綴に有効と思っており,患者にもインプラント補綴を勧めたが,技量不足から遊離端欠損のパーチャルデンチャーとなってしまった.しかし,結果的にはプランBのデンチャーは良好に機能しており,プランAよりよかったのではないかとも思っている. プランA,B,Cを論じる前に,この序列は補綴物の耐用年数によるものなのか,治療にかかる費用によるものなのか,快適性によるものなのか,また破損後につぎの手が打ちやすいものなのか不明な点は多い.さらに耐用年数を論じるとしても何年を目標にすべきかは歯科医療界でも不明な点が多い.このようにプランA,B,Cを,たとえばコストパフォーマンスという言葉ですら,すべて論じることは難しい.切り口は若干異なるが,最近,筆者は患者への治療の永続性の説明は20年を1つの目標とすることにしている.本症例はそうした意味では目標を達成できたといえるので,筆者の考えとともに詳細を報告したい.筆者の歯科医院での治療計画選択の割合1インプラントを断念してCSPを応用した24年経過KennedyⅡ級症例行田克則東京都開業 上北沢歯科連絡先:〒156‐0057 東京都世田谷区上北沢3‐17‐6 七星ビル2F私の診療スタイルと治療計画プラン C50%プラン B40%プラン A10%26

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