抜歯テクニックコンプリートガイド
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section 3 骨削除,歯冠分割,歯の抜去79抜歯テクニックコンプリートガイド上顎埋伏智歯難抜歯合併症抜歯の器具普通抜歯下顎埋伏智歯麻酔・抗菌薬・止血上顎正中埋伏過剰歯埋伏犬歯・乳歯■歯冠分割の際,分割予定の歯冠を頬舌側に分割し,さらに近遠心的に分割することを「T字分割」という.まず頬側の歯冠を除去すると,歯冠部の底部の骨面が直視でき,バーにて骨を損傷することが避けられる.次いで舌側の歯冠を除去することにより,安全な歯冠部の分割除去が可能となる67(図108).■この分割を頬舌的に行う方法もある34,47(図109).■歯冠を頬舌側に分割した後に,歯冠が除去できない場合には,T字分割をためらわない.この際,筆者は斜め方向から角度を付けて分割している(図110).T字分割──必要ならためらわない舌側頬側はじめに除去図108 T字分割.歯冠分割の際,頬側をはじめに除去すると歯間部の底部を直視でき,安全に舌側部を分割できる.*参考文献67より引用・改変図109 頬舌的なT字分割.*参考文献47・294頁,参考文献34・78頁より引用・改変図110 T字分割.■分割線直下に下顎管がある場合には,細いバーにこだわらず,3 mm幅の分割やラウンドバーを使用する48(図107).■筆者は一度で分割できることが理想ではあるが,無理をすると下顎管損傷または舌側板損傷の原因となるため,「一度で分割できなくても恥ではないし,焦らない!」と教えている.a図106a~c 歯冠分割時にバーを動かす方法.切断する平面上で扇型を描くようにタービンヘッドを動かす(a).はじめはやや寝かせぎみに切りこみ(b),ある程度切りこんだらヘッドを立てる(c).舌側舌側b舌側c図107a, b 分割線下方に下顎管がある場合.細いバーにこだわらず,3 mm幅の分割やラウンドバーを使用する.*参考文献48・98頁より引用・改変ab

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