抜歯テクニックコンプリートガイド
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CHAPTER 3 下顎埋伏智歯84抜歯テクニックコンプリートガイドAAA'A'舌側図126 頬側袋状弁を用いた一部萌出智歯への有茎弁法.*参考文献88より引用・改変①一次閉鎖■ここで一次閉鎖か否かの問題と,術後の第二大臼歯遠心部のポケット形成の問題について考える.閉鎖創にするために各種の有茎弁が開発されている.方法1 横切開の近心の位置が第一大臼歯頬側溝までの袋状弁を用いて,一部萌出智歯を抜去後に,遠心切開線を頬側に延長した有茎弁を作成する.この有茎弁を回転して抜歯窩を一次閉鎖する88(図126).方法2 歯冠の大部分が露出している半埋伏歯の抜去後は,歯肉欠損が生じるので,閉鎖・被覆弁にて閉鎖する.すなわち,第二大臼歯近心部から遠心方向に向けて斜めの縦切開を加え,歯頸部から遠心中央を経て遠心切開を加える.縦切開部の遠心部は部分層弁とし,頬側溝から遠心では全層弁とする.この弁を回転して抜歯窩を一次閉鎖する89(図127).方法3 改良Chaikin法は,歯冠の一部が露出している埋伏歯や,完全埋伏歯の抜去後に使用する.埋伏歯を十分に覆う大きさの舌側を基部とした半月状弁を作成する.全層弁として剥離挙上後に抜歯し,この弁を回転して抜歯窩を一次閉鎖する89(図128).■いずれの方法でも,剥離範囲は大きく,術後腫脹は著しい図128a~c 改良Chaikin法.a 埋伏歯を覆うよりも広く,舌側を基底弁とした半円形の切開(破線)を加える.b 全層剥離弁を起こし,明視野のもとに抜歯を行う.c 剥離弁を定位置に戻し,抜歯窩を閉鎖・被覆する際,弁を第二大臼歯遠心根面に密着させ,緊密に縫合する.*参考文献89より引用・改変舌側頬側図127a~c a 縦切開は剥離弁の遠心移動を容易にするため,第二大臼歯根尖部よりにおく.b 縦切開は斜切開で,部分層の縁とし,抜歯窩を被覆する十分な全層弁とする.c 閉鎖・被覆弁は過緊張を避け,縫合はマットレス法を組み合わせる.*参考文献89より引用・改変舌側頬側全層弁部分層弁縦切開水平マットレス縫合水平マットレス縫合aabbcc

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