ノンメタルクラスプデンチャー
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CHAPTER 5 ノンメタルクラスプデンチャーの設計② 義歯が動かないようにするために0455-1義歯が動かないようにするための指針① 回転・移動を抑える ノンメタルクラスプデンチャーの回転と移動を抑えるためには把持効果が十分でなければならないことは,すでにCHAPTER4で述べたが,把持効果には「外側性把持」と「内側性把持」を分けて考えなければならない(→P36参照).それぞれの効果を発揮するために気をつけるべき事柄について解説する.片側設計のリスク 片側遊離端欠損で,レジンクラスプの延長腕鉤(支台歯の隣接歯まで延長したクラスプ)にして,片側設計にしている症例をよく見かける.機能時に義歯が水平性の遠心回転をすると,延長腕鉤の前方部は歯面から離れる2(図2).レジンクラスプのように剛性のないクラスプは把持効果が不十分なため,結果的に直接支台装置の支台歯のみが過重負担になる.これは頬舌回転でも同様である.外側性把持 把持効果が十分でないレジンクラスプでは,義歯の沈下によって支台歯から離れて,義歯が遊離端欠損側に移動する可能性がある1(図3). そのためにも片側・両側欠損にかかわらず遊離端欠損症例では,剛性のある金属構造物により近遠心的な把持回転・移動を抑える図2 剛性のないノンメタルクラスプデンチャーは直接支台装置の支台歯のみに負荷がかかる.ワイヤー図3 レジンクラスプは外側性把持が確実でないため,遊離端側に移動するリスクがある.図4a レジンクラスプでは十分な把持が得られないため,金属構造物による頬舌的な把持効果を確保する.ワイヤーの把持効果はやや弱い.図4b レジンクラスプでは十分な把持が得られないため,金属構造物による頬舌的な把持効果を確保する.4a4b3

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