学びなおし EBM
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16CONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials:臨床試験報告に関する統合基準)声明•1996年に発表。•最新版は2010年に更新。QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses:メタアナリシス報告の質)声明•1999年に発表。•その後改訂しPRISMAに移行。PRISMA (Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses)声明•2009年にQUOROMを改訂して発表。•メタアナリシスだけでなく、SRについ ても言及している。•研究資金についてより詳細な記述を求 めている。 前述のとおり1990年代はSRの萌芽期であり、方法論の検討もくり返し行われた。診療ガイドラインがSRをもとにして作成されるようになったのもこの頃である。RCT、SRの形式評価の方法が固まり、RCTを作成するときのチェックリストであるCONSORT声明や、メタアナリシスを作成するときのチェックリストであるQUOROM声明、さらにそれを改良したPRISMA声明などが作成された(図4)。多くの国際的な医学雑誌がこれらの声明を支持したことで、RCTやメタアナリシスの形式は整った。 形式が重視されるようになると、やがて「形式さえよければOK」という風潮が生まれた。質のよい研究を担保するための形式重視のはずが、それを偽装した研究が混在するようになってきたのである。 診療ガイドラインなどが作られ始めた1990年代は、研究デザインでエビデンスの質を決めていた。当時のEBMの解説にて「エビデンスヒエラルキー」(図5a)なる言葉が多用されていたことからも、その状況をイメージできるだろう。しかし、研究デザインのみで論文を評価すると、たとえ質の低いメタアナリシスでも、また意味のないアウトカムを測定したRCTであっても常に上位に扱われ、良質な観察研究が下位になるという、現実にそぐわないことが多くみられるようになった。つまり、アウトカムは何でもよく、有意差があれば効果を認めるという「研究デザイン中心主義」の限界が露呈してきたのである(図5b)。研究デザイン中心主義の限界図4 論文に関する国際的な声明。2TOPIC研究デザイン中心主義からアウトカム中心主義へ

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