ITI Treatment Guide Volume8
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9章 臨床ケース報告ITI Treatment Guide n Volume 8136 35歳女性が、軽度の治癒遅延の臨床的徴候を示したインプラント部位の診査のため、スイス、ベルン大学歯学部口腔外科・口腔科学科に紹介された。加えて、紹介元の歯科医師がアバットメントを装着するため、粘膜弁を翻転した際、唇側の骨壁はまったくなかった。9.2.1  埋入位置が不良なインプラントの撤去とGBR法による同時カントゥアオーグメンテーションを伴う新たなインプラント埋入D. Buser、U. Belser/(訳)武井宣暁、高尾康祐、船越栄次 4ヵ月前、患者は歯根近心側に認めた慢性根尖病変のため抜歯されていた側切歯の単独歯欠損に、ボーンレベル インプラントを埋入された(図1)。インプラント埋入と同時に脱タンパク無機ウシ骨(以下DBBM, Bio-Oss®; Geistlich, Wolhusen, Switzerland)とコラーゲンメンブレン(Bio-Gide®; Geistlich)を用いた骨増生術が行われ、一次閉鎖された。また患者は、3.5mmのヒーリングキャップを装着したインプラントが写った術後X線写真を提示した(図2)。図1 根尖病変を呈した上顎右側側切歯の初診時デンタルX線写真。当時、紹介元の歯科医師は抜歯し、インプラントに置換することを決定した。両隣在歯の歯槽頂部骨レベルは良好に維持されている。図2 径の細いボーンレベル インプラント埋入および高さ3.5mmのヒーリングキャップ装着後のX線写真。9.2 生物学的合併症(非感染性)

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