オーラルリハビリテーション コンセンサス会議議事録
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臨床論文 136るわけではない。より多くの解析が必要である。インプラント3本の方法は、本来のBrånemark Novum型の3本のインプラントと一致していて、インプラント4本や6本症例で典型的に使われる直径3.75mmよりも大きいもの(5mm)が使われている。 この論文で先に指摘したとおり、インプラントの軸方向の力は意味のあるもので、骨界面での応力に関連するものでもあり、インプラントの直径や他の因子によって決まるものでもある。つまり重要な論点は、インプラント3、4、6本の状況で骨界面での応力がどの程度であるかということである。 この問題に対するはじめの答えは図5からわかる。まず、インプラント3、4、6本の場合のインプラント界面への平均剪断応力を考える。この平均剪断応力は、スカラックモデルの各インプラントへの軸方向の力の絶対値をとり、その力を各インプラントの対応する表面積で割ることで推測できる(この応力計算では、インプラントへの軸方向荷重に関する符号には大きな意味はない。負の符号は圧縮、正の符号は張力である。重要なことは平均剪断応力の大きさである)。各5mm×13mmインプラントのおおよその表面積は、インプラント4本や6本の場合に使われる各3.75mm×10mmインプラントのおおよその表面積よりも大きくなる。図4と図5のデータの違いは、図4の力をインプラントの骨接触面積で割って図5を産み出した。この応力の計算によると、インプラント3本の場合の2本の遠心インプラント(1と3)周囲の骨にかかる剪断応力a=顎骨を支える3本のインプラント図4 (a)3、4、6本のインプラント配置に印がついているチタン製の補綴バーの下面写真。この例での3本のインプラントは2001年に紹介された本来のBrånemark Novum型と同じである。一方で、4本や6本のインプラント配置は3本のインプラントのものよりもわずかに大きなアーチとなっている。(b)棒グラフはスカラックモデルで3、4、6本のインプラントへの軸方向の力を計算したものである。両側に荷重(100N)がかかる補綴装置を支える3、4、6本のインプラントへの軸方向の力軸方向の力(N)インプラント数1234 564003002001000–100–200–300インプラント3本インプラント4本インプラント6本b=顎骨を支える4本のインプラント=顎骨を支える6本のインプラント=バー上の遠心荷重点両側に荷重がかかる補綴装置を支える3、4、6本のインプラントの界面における平均剪断応力(正の符号を割り当てている)平均界面剪断応力(MPa)1.81.61.41.210.80.60.40.20インプラント3本、 5 × 13 mmインプラント4本、3.75 × 10 mmインプラント6本、3.75 × 10 mmインプラント数123456図5 棒グラフは、3、4、6本のインプラントへの界面剪断応力の平均を図4で解析したもの。インプラント3本配置のインプラントは4、6本配置のものよりも大きな直径である(つまりより大きな界面の面積)。これは、インプラント3本症例の界面応力がインプラント4、6本の状況よりもたまに小さくなることを説明できる。

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