YEARBOOK 2016
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別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2016」臼歯部咬合崩壊をともなう重度慢性歯周炎を咬合再構成した歯周補綴の予後梅原一浩青森県 梅原歯科医院連絡先:〒036‐8182 青森県弘前市土手町1231.私の診療スタイルと臨床方針図1a図1b 2代目の歯科医師として親子で同じ診療室に勤務.親子ともに小学校~東京歯科大学補綴科の大学院を修了するまで同じ経歴をもつ.筆者は大学院修了後1993~1994年の1年間,米国ペンシルベニア大学の歯周補綴科に留学する機会を得た.そこで見た歯周補綴は,炎症をコントロールし,顎位を是正し,歯軸を修正し力をコントロールするという見事な咬合再構成であった.実際の歯周補綴の臨床は帰国後からのスタートとなったが,いざ臨床を行ってみると難しいことや理解できていなかったことがあらわになった. 筆者の住んでいる青森県弘前市は,決して経済的に豊かな町ではなく,非常に保守的な方の多い地域である.それゆえ,歯を抜いてほしくないという希望も多い.そのなかでいかに適応する治療計画を立て,患者と長く付き合って行くかというのが日常の課題である.それと同時に,ペンシルベニア大学で学んだ長期に渡って良好な経過を維持できるような治療に取り組み,さらに,デジタル器機を用いながら治療方針に生かし,その治療法の効果を検証することが現在進行形の筆者の診療スタイルである.図1 診療室外観.前方呉服店の2階が旧診療室だった(a).改築された診療室は呉服店の後ろに建っている(b).20

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