YEARBOOK 2016
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別冊the Quintessence 「YEARBOOK 2016」臼歯部咬合崩壊をともなう重度慢性歯周炎を咬合再構成した歯周補綴の予後患者データ年齢:65歳,性別:女性.主訴上顎左側中切歯が前に出てきた.人となり性格は優しく温厚で,つねに時間を守って来院する.初診で来院されたころは,病気をされたご主人の親(義母)の介護をしていた.ご家族はご主人と娘さんの3人家族.話し好きで話しだすと止まらなくなってしまうが,心配性のところもある.既往歴40~50歳代,はじめはう蝕が大きくなり抜歯に至ったとのこと.後に歯周病も発症し,抜歯に至る.歯を失うたびに長い間,困っていたようだ.義歯を装着して約25年になる.歯科への関心度・協力度「検診に行かなければ……」と思っていたが,介護を理由になかなか行くことができなかった.歯が動いて見た目が気になることから,やっと受診する決意をした.しかし,ブラッシングは自分なりに一生懸命行っていた.治療に対する希望①前歯をなんとかしてほしい.②可撤式義歯はしかたがない.③歯をできるだけ残してほしい.④インプラント治療は考えたくない.その他,特記事項飲酒も喫煙もなし.2.患者の概要と初診時の状態著者データ臨床経験年数:27年(帰国勤務後21年)チェア数:8台スタッフの人数:歯科医師4名(矯正科非常勤1名含む),歯科衛生士9名,歯科技工士4名,歯科助手4名図2 診療室間取り図.1994年に帰郷したときは,医院前にある呉服店の2階に7台のチェアがオープンスタイルで並んでいた.骨董品のようなベルト式のコントラや回転の遅いタービン,古くなったチェアで3年間我慢した.1997年に診療室を全室完全個室スタイルで改築した(図2).個室化することで,親子喧嘩はほとんどなく,必要なときにお互い助け合うことで現在の良好な関係を保っていると考えている.ハブラシコーナーレントゲン室消毒室No.1No.2No.3No.4No.5No.6No.7No.8受付カルテ室入口トイレエレベーター待合室現像室梅原歯科医院院内案内図21

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