咬合治療 失敗回避のためのポイント38
1/6

14咬合治療を考える●咬頭嵌合位でのバイトの採得●補綴物の高さが咬頭嵌合位と一致しない原因はさまざまである.図のように上手く咬頭嵌合位で採得できたバイト材には穴があいて,咬合接触部位を確認できるが,患者が咬頭嵌合位で咬んでくれない場合には,咬頭嵌合位を確認できない.そのため事前に患者に咬頭嵌合位で咬む練習をしてもらうと良い(咬合診断編7参照・榊原デンタルラボ:榊原功二氏のご厚意による).●顎の疼痛部位●患者の主訴が「顎の痛み」であっても,顎関節症とはかぎらない.このようなケースでは.「顎関節が痛い」のか「顎関節以外の部位」が痛いのかを鑑別しなければならない.図は筋痛による「顎の痛み」の部位(咬合治療編2参照).●オーバーローテーション,クローズドロックにはマニュピュレーション(顎関節手徒整復術)を行うが,一時的にせよ患者の痛みを増大させてしまうことがある.激しい痛みを患者が訴える場合,翼口蓋窩への浸潤麻酔を併用すると良い(咬合治療編2参照).●翼口蓋窩への浸潤麻酔●咬合に関する不定愁訴を訴える患者に対しては,いきなり歯を削ったり,補綴物を装着せずに可撤式のスプリントを装着して経過観察を行う.睡眠時ブラキシズムやストレスが原因として考えられる場合にはスタビリゼーション型スプリントを用いて症状の変化をみる(咬合治療編3参照).●睡眠時ブラキシズムとスタビリゼーション型スプリント

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です