咬合治療 失敗回避のためのポイント38
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80第2部 咬合診断編Ⅰ セファロから得られる情報頭部X線規格写真(セファログラム)といえば矯正歯科特有の診査診断ツールと思われがちですが,セファロから得られる情報は咬合診断においても非常に有益なものです.1.骨格様式と咬合の関係を調べることができるセファロから得られる重要な情報のひとつは「患者の顔面骨格を評価できる」ことです.側貌セファロでは顔面骨格形態をⅠ,Ⅱ,Ⅲ級の3パターンに分類することができるほか,正面セファロからは左右の対称性を評価することができます.顔面骨格と咬合は成長発達段階から互いに密接に関係しているため,それぞれの骨格パターンに適応した咬合の特徴が現れます.すなわち,顔にさまざまな個性があるように,咬合においても個性が存在するということであり,正常咬合といっても画一的なものが存在しているわけではありません(図2-2-1).したがって咬合治療を行う場合には,側貌セファロから骨格のパターンを読み取り,その咬合の特徴が骨格に適応したものであるか否かの診断をすることがセファロを用いる理由の1つです.Occlusal Diagnosis Edition 2セファロ分析が咬合診断に果たす役割図2-2-1 正常な成長発達を遂げたⅠ級骨格とⅠ級咬合様式.Ⅰ 級●骨格様式と咬合様式の関係

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