咬合治療 失敗回避のためのポイント38
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81セファロ分析が咬合診断に果たす役割第2部 咬合診断編2.Ⅱ級骨格とⅢ級骨格の咬合の特徴を比較するa.Ⅱ級骨格(下顎遠心咬合)の咬合がもつ特徴●下顎骨の特徴上顎骨の過成長,あるいは上顎に対する下顎骨の劣成長により,下顎が後方に位置づけられた状態です(図2-2-2).また下顎骨の垂直的成長が小さい(劣成長)ために咬合高径は低くなる傾向があります.このような理由からⅡ級骨格症例において咬合高径だけを挙上しようとすると,下顎をさらに後方に押し込む(偏位させる)危険性があるため,咬合挙上を試みる場合には慎重な検討が求められます.●咬合平面Ⅱ級骨格に適応した咬合平面はⅠ級骨格の歯列に比べ,強い二面性(スピー湾曲が強い)を有する傾向があります.そのためポステリア・オクルーザル・プレーン(臼歯部咬合平面)がアンテリア・オクルーザル・プレーン(前歯部咬合平面)よりも急峻となる傾向があります(図2-2-2).急峻な咬合平面は臼歯離開量が少なく臼歯部の干渉を生じやすい環境にあることを意味し,歯や歯周組織,筋,顎関節に過剰な負荷を加える可能性が大きいと言えます.図2-2-2 Ⅱ級骨格とⅡ級咬合様式(上図:1類,下図:2類)Ⅱ 級

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