咬合治療 失敗回避のためのポイント38
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144第3部 咬合治療編アンテリア・ガイダンスとしての役割を担う歯の領域は咬合様式によって異なります(図3︲5︲1)が,どのような咬合様式であれ,側方運動時の要である犬歯に著しい咬耗がある場合は注意が必要です.Treatment Edition 5犬歯が著しく咬耗している場合に考慮すべきこと~アンテリア・ガイダンスが失われているときの対処法~Ⅰ 犬歯の役割犬歯は永久歯列に最後に参加(萌出)する歯であり,すべての永久歯のなかでもっとも長い歯図3︲5︲1 Ⅰ級,Ⅱ級,Ⅲ級の咬合様式と偏心運動.a:Ⅰ級咬合では側方運動時に上顎犬歯の近心斜面の誘導路により臼歯離開が確保されやすい.b:Ⅱ級咬合では側方運動時に犬歯の近心斜面が使えないため,グループ・ファンクションとなる可能性が高くなる.c:Ⅲ級咬合では前方誘導路がないか,あっても短いため,臼歯離開は難しい咬合様式といえる.●各咬合様式と偏心運動Ⅰ級咬合Ⅱ級咬合Ⅲ級咬合

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