根管治療で失敗する本当の理由
6/6

47CHAPTER 5 治療しても痛みがとれない!症例9抜髄治療で痛みが消失した患者 35歳,女性主訴 以前に金属を詰めた歯が痛くなった現病歴 食事中に物を噛んでいて激しい痛みを感じた.その後も痛みが治まらず,心配なので来院した.症例説明患者は食事中に6の強い咀嚼痛を感じ,その後に強い放散性の痛みが誘発されることから,治療希望で来院した.金属インレーを除去してう蝕象牙質を除去したところ,歯髄腔に容易に達し,しかも露髄が広範囲であった.患歯の術前エックス線写真では,う蝕の進行程度が明らかではないが,再発性う蝕が原因による急性化膿性歯髄炎と診断した.浸潤麻酔を実施して6の抜髄処置を行い,根管消毒剤を貼布せずに緊密仮封を行った.2週間後に不快な臨床症状(自発痛と咀嚼痛)も消失したことから,側方加圧法により根管充填処置を終了し,その後,全部鋳造冠による補綴治療を完了させた.4年経過後の患歯の臨床所見に異常は認められない.症例9a, b 術前.金属インレーが装着されていた.症例9e 根管充填直後.症例9f 根管充填1年後.症例9c 患歯には,軟化象牙質が多量に認められた.症例9d 患歯の軟化象牙質除去後に歯髄腔への穿孔が認められた.abcdef

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 6

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です