The Basic Planes for Tooth Preparetion 支台歯形成の面基準
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56  スキャニングの精度の向上によりわずかなアンダーカット、波状のマージン、滑らかでない粗な面などの形成の不備を正確に読み取り、逆にコーピングの適合が落ちることなどの問題が生じる可能性がある。 最終的なマテリアルの選択がなんであれ、クラウンが口腔内で正しく機能し、自分の行っている治療が良い方向に向いているかどうかはプロビジョナルクラウンで評価される。ジルコニアクラウンであっても、プロビジョナルクラウンが一定期間、口腔内でとどまり機能し、その機能性、審美性、清掃性などの生物学的評価、構造力学的評価ができるというのが最低条件である。 表2-17にその重要事項を示す。アンダーカットがなく十分な維持力を有し、面は滑らかで面角は丸みをおび、マージン部で遊離エナメル質を作らない、削除と面の基準を守る、など従来の形成の基準を遵守することがもっとも大事である(図2-54)。それにより、コンピュータによるスキャニングも正確に行え、精度の高いコーピングが入ることになる。削除量は修復物材料の適正な量を削除すればよい。 ジルコニアクラウン特有の注意点は、ミリングバーの厚みに対応した形成が必要になることである。ミリングバーも先端径が細いものが出てきており、近い未来CAD/CAMクラウン特有の注意点はなくなってゆくと考える(図2-56)。表2-17 ジルコニアクラウンの形成3(1)CAD/CAMジルコニアクラウン形成の注意点 ジルコニアクラウンはCAD/CAM、つまりコンピュータで支台歯模型をスキャニング、デザインし、クラウンを製作するものである(表2-17)。コーピング材としてジルコニアを使用しているという材料の差はあるものの、基本の形成においてはこれまでのクラウンとなんら変わることはない55。単純に考えれば、材料が変わっただけである。CAD/CAMジルコニアクラウン(PFZ)形成の注意点基本従来の形成の面基準を遵守正確なスキャニング・アンダーカットがないこと・波状でない滑らかな面にし、面角は滑らかに丸めておく・マージン部は遊離エナメル質を作らない・単純で滑らかに繋がるマージンラインであることミリングバーへの対応切縁面角部において、半径0.3~0.4㎜のラウンドエンドな平坦部(ミリングバーの径の変化、ジルコニアの収縮率などで変化)削除量前歯:頬側面 1.2~1.5mm、舌側面 1~1.4mm(0.5~0.7mm舌面ジルコニア)、   切縁平坦部 0.8~1mm、切縁からは2.6~3mm臼歯:頬側面、舌側面1.2~1.5mm 、咬合面1.5~2.5mm

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