ANATOMY_日本語版(教育)
2/8

39  3章 大口蓋動脈および大口蓋神経図3-4 (a~c)本文で述べた、硬口蓋上に存在する大口蓋動脈および大動脈神経から遊離歯肉辺縁までの距離。abc口腔手術時の重要点 大口蓋動脈の近接部位で歯肉弁の剥離翻転時(結合組織移植片の採取5-7や口腔上顎洞瘻の閉鎖術など)の、動脈損傷やそれによる軟組織の壊死の回避には、大口蓋動脈からの安全域を確保して、骨膜剥離子の先端を常に骨に当てた状態にする。安全に採取される移植片の最大寸法は、口蓋アーチの解剖学的な大きさと形態により決定される。Reiserら8の研究によると、大口蓋神経血管束は、深い口蓋では歯肉縁から17mm、中程度の口蓋では12mm、浅い口蓋で7mmの位置に存在する(図3-4)。また、大口蓋神経血管束は、口蓋アーチの垂直壁と水平壁の境界付近に存在し、歯周病に罹患していない多くの患者では、8mmの高さの範囲まで結合組織移植片の採取が可能となる9。Maxillary sinus17 mm12 mm7 mmInferior meatusInferior conchaGreater palatine bundle (greater palatine artery, nerve, and vein)Palatine process of maxillaVomer下鼻道大口蓋神経血管束(大口蓋動脈、大口蓋神経、大口蓋静脈)上顎洞下鼻甲介鋤骨上顎口蓋突起

元のページ 

page 2

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です