ANATOMY_日本語版(教育)
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50上顎臼歯部3図3-13 後上歯槽動脈と眼窩下動脈間に存在する骨外ならびに骨内血管吻合。神経支配と血液供給 上顎洞の感覚神経は、上顎神経の枝(後、中、前上歯槽枝、および眼窩下神経)を介して、自律神経は翼口蓋神経の枝を介して支配している。 上顎洞の血管供給は顎動脈の枝(主に眼窩下、後上歯槽動脈だけでなく、外側後鼻枝と蝶口蓋動脈という洞粘膜中央領域を栄養する枝)を介した外頸動脈循環から成立する。 後上歯槽動脈ならびに眼窩下動脈の終枝の骨外血管吻合の可能性への言及も重要となり、この吻合は歯槽縁から23~26mmの高さを走行し、上顎洞への骨移植におけるフラップ挙上時に出血をきたしうる(図3-13,3-14)。 一方、骨内血管吻合は歯槽縁から19~20mmの距離では常に存在、走行している(図3-15)。上顎洞側方開窓術時、骨切り線内に吻合が存在する場合の遭遇は避けられないが、これは重要ではなく、電気的止血凝固はせず、むしろ無視するか、軽度の圧迫を加えながら止血材を適用する。 上顎洞からの静脈還流は顔面静脈、蝶口蓋静脈、翼突筋静脈叢によって行われる。Infraorbital artery and nerveMaxillary nerve (V2)Vidian nerveGasserian ganglionAuriculotemporal nerve (V3)Inferior alveolar nerveLingual nerveMaxillary arteryPosterior superior alveolar arteryExtraosseous anastomosisMedial superior alveolar nerve (V2)Posterior superior alveolar nerve (V2)Maxillary sinusIntraosseous anastomosisPalatine nerve耳介側頭神経(V3)眼窩下動脈・神経口蓋神経骨内吻合上顎洞後上歯槽神経(Ⅴ2)内上歯槽神経(Ⅴ2)骨外吻合後上歯槽動脈上顎動脈舌神経下歯槽神経ガッセル神経節(三叉神経節)Vidian神経(翼突管神経)上顎神経(Ⅴ2)

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