文献と臨床のインプラントサイエンス
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7. Implant soft tissue management6. Computer aided surgery4. Implant overdenture3. Immediate implant placement2. Sinus augmentation1. Bone augmentation12345675. Implant follow-up28歯科用CBCTによる上顎洞自然孔の撮影法 福留淳一(東京都開業)Piattelli M, Favero GA, Scarano A, Orsini G, Piattelli A. Bone reactions to anorganic bovine bone (Bio-Oss) used in sinus augmentation procedures: a histologic long-term report of 20 cases in humans. Int J Oral Maxillofac Implants 1999;14(6):835-840. 症例の概要 上顎洞の自然孔の役割は、上顎洞内の汚物を鼻腔内への排出である。上顎洞へ不用意なことを行うと、細胞変性が起こるので注意が必要とされる。また、上顎洞へのアプローチを必要とする患者の上顎洞粘膜のむくみが術前にかなり生じていた場合、術によるむくみの増加で自然孔が封鎖されてしまう恐れがある。よって上顎洞へ何らかのアプローチをする場合、上顎洞粘膜の事前の厚み、自然孔の状態の情報を得ていたほうが有利であろう。 処置内容とその根拠 本発表では撮影エリアが限られた歯科用CTで自然孔の撮影方法について述べる。筆者が使用しているCTはモリタ3DX。撮影エリアは6×6cm。このエリアで安定して撮影できるように位置を調べた。対象者は上顎洞へのアプローチを行う27~72歳の12名、左右24個の上顎洞自然孔について調べた。水平方向は中心から15~22mm、鉛直方向では眼窩下縁より上方5~15mmに、矢状方向では上顎5~6番に位置していた。図1 矢印で示す自然孔は上顎洞で加温加湿された外気や繊毛運動による異物の通り道となる。図2 この道は三次元的には円錐形。よってこの部分の立体構造は上顎漏斗とよばれる。図3 この道は中鼻甲介との間の中鼻道を経て鼻腔、咽頭につながる。図4 左は上顎洞粘膜の模式図。右は上顎洞粘膜のSEM像。図9 水平方向は中心から15~22mmに位置していた。図10 鉛直方向では眼窩下縁より上方5~15mmに位置していた。図11 矢状方向では上顎5~6番に位置していた。図12 自然孔を撮影するために歯科衛生士が描いた図。図5 繊毛運動方向はそれぞれの部位で一定で矢印の向きに異物を自然孔へ運ぶ。図6 左は慢性副鼻腔患者のSEM像。右は上皮の変性剥離。下は上顎洞粘膜の病的変化模式図。図7 自然孔の三次元的位置は?図8 上顎洞へのアプローチを行う27~72歳の12名、左右24個の上顎洞自然孔について調べた。57

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