一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’16
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ChapterPARADIGM SHIFT OF DENTAL SURGERY FOR 10YEARS LATERインプラント周囲軟組織の再建11-図7g ヒーリングアバットメント連結後,移植片を移植床に骨膜縫合により固定.図7h,i 術後5か月の状態.口腔前庭の拡張と非可動性角化粘膜の獲得ができている.図7a,b インプラント2次手術前の状態.欠損部歯槽頂には角化粘膜が認められるが,口腔前庭が浅く,頬粘膜が₅歯頸部および欠損部歯槽頂付近にまで達している.図7d 角化粘膜を部分層で十分剥離し,インプラント上の結合組織を切除して,インプラントを露出させる.図7e,f 口蓋部から必要量の遊離歯肉移植片を採取し,移植床と適合した形態にトリミング.図7c インプラント上部の角化粘膜の領域から根尖側方向へ部分層弁を形成し,口腔前庭を拡張.頬側基底部に骨膜縫合し,移植床を形成した.4)遊離歯肉移植術を用いたインプラント周囲角化粘膜の造成 図7は,下顎左側大臼歯部にインプラントを2本埋入した症例の2次手術前の状態である.欠損部歯槽頂には角化粘膜が認められるが,口腔前庭が浅く,頬粘膜が₅歯頸部,および欠損部歯槽頂付近にまで達している(図7a,b).インプラント頬側の口腔前庭の拡張と非可動性角化粘膜の造成を目的に,遊離歯肉移植術を行うこととした.まず,埋入されたインプラント上の角化粘膜の領域から根尖側方向へ部分層弁を形成し,口腔前庭の拡張を行った.本症例では₅頬側の付着歯肉の獲得も同時に行った.形成した部分層弁は根尖側へ移動させた状態で,頬側基底部に骨膜縫合し,移植床を形成しておく(図7c).インプラント上にかかった角化粘膜は舌側へ移動できるように部分層で十分剥離しておく.次いでインプラント上の結合組織を切除し,埋入したインプラントを露出させておく(図7d).同側の口蓋[症例3]遊離歯肉移植術による角化粘膜の造成(図7a~i)aheifb45

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