PRD YEAR BOOK 2016
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新材料・テクニック/Urbán IA et alしいと判断した場合には、海綿骨からの血液供給を確保するために、計画した骨増生部位に皮質骨穿孔を行った(例えば1mmのラウンドメタルバーを用いて)。その後、顆粒状移植骨を好ましい位置に設置し、インプラントを同時または段階的に埋入した。提示した2症例においては、頬側裂開部のインプラント表面周囲に自家骨の骨片を、また、自家骨の骨片上には吸収が遅い無機ウシ骨ミネラル(Bio-Oss, Geistlich)を使用するWangらのサンドウィッチテクニックと呼ばれる骨増生術式を使用した27。筆者らはインプラントのカバースクリュー上も移植材料で覆うほうがよいと考える。垂直性骨増生のゴールは、インプラントの咬合面までの高さと頬側への張り出しを獲得することにある(図1-c〜f、図2-c)。本論文の筆者らの経験によれば、縫合のテクニックによっても縫合したフラップが加圧され、移植骨の一部が側方へ飛び出してしまう可能性があり、移植骨の拡散・移動は、不完全な骨再生をもたらす結果となりうるため、当術式におけるこのような側面はきわめて重要である。図1-a~h 骨膜の垂直マットレス縫合を用いた術式の典型例。インプラント埋入前(a)と埋入後(b)の欠損部頬側面観。頬側(c)とインプラントの咬合面上(d)に自家骨を移植する。さらにその上から無機ウシ骨ミネラルを頬側(e)と咬合面(f)に置き、最後にコラーゲンメンブレン(Bio-Gide, Geistlich)で骨移植材料を覆う(g, h)。acegbdfh65

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