増補改訂版 歯科医院の感染管理 常識非常識
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90一般診療における器材処理のポイント 器材処理は、手洗浄の場合とウォッシャーディスインフェクター(Washer-disinfectors、以下WDと表記。医療用洗浄消毒器)による機械洗浄の場合で、それぞれつぎのように異なります(図1)。手洗浄の場合は、診療終了後必ず洗浄を行い、その後スポルディングの分類(41頁参照)に従って消毒または滅菌を行う二通りの処理パターンに分かれます。WDの場合は、洗浄→消毒→滅菌→保管の流れで行います。図2では、筆者が自院で行っているWDでの器材処理の手順を紹介します。①使い終わったトレーが処理室へ運ばれてきたらゴミを分別処理し(感染ゴミと普通ゴミ)、②バーなどの細かい器材は超音波洗浄器で洗浄します。その際、自院ではガラス製ビーカーを使用しています。家庭用の金属性茶こしなどを使用すると直接超音波洗浄槽内が汚染され清潔が保てず、器材の洗浄効果にも支障をきたすおそれがあるため推奨できません。③超音波洗浄が終わるとWDを使用して消毒・乾燥工程に進みます。④その後個別にパッキングし、⑤プレポストバキューム方式の高圧蒸気滅菌器を使用して滅菌を行い⑥、⑦湿度の影響を受けにくく、ほこりに触れず、直射日光の当たらない床から30cm以上離れた蓋付きの清潔な場所で保管します。また、滅菌バッグを使用した滅菌物は有効期限を明記し、1〜3か月で使うようにします。●はじめに -器材処理の流れと手順-1器材処理の流れを確認しよう1感染管理の実際診療終了後の器材洗 浄滅 菌消 毒保 管一般診療における器材処理の流れ(図1) 手洗浄の場合  WDの場合

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