増補改訂版 歯科医院の感染管理 常識非常識
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119ここがポイント2器材準備 インプラント手術では、器材はすべて滅菌済のものを使用します(図6)。滅菌済の製品以外は、個々の歯科医院内で滅菌処理を行う必要があります。一般的に高圧蒸気滅菌法が多く用いられますが、正しく器材を滅菌するためには正しい操作が必要です。器材の滅菌のポイントや注意点は以下のとおりです。❶滅菌器は日常的な清掃を徹底し、庫内を清潔な状態に管理する。☞温湯で庫内の拭掃を行います。❷設定温度・圧力・時間のパラメータについて専門業者による定期的な機器の点検を受ける。❸滅菌器メーカーに確認し、適切な積載量を厳守する。❹有効な滅菌インジケータを使用する。☞化学的インジケータは滅菌後の無菌性の保証にはなりませんが、滅菌効果の到達度判定の目安にはなります。操作が簡単なことやコスト面からも、生物学的インジケータよりも日常的な歯科臨床の現場での用途は多いです。インプラント器材滅菌の目安として、マルチパラメータ、インテグレーティングインジケータなどのクラス(77頁参照)を用います。❺耐熱性のない材質への使用は避ける。❻滅菌後十分な乾燥が得られていない場合、内部への菌再付着の危険性があり、その滅菌の有効性は保証されない。(1)外科用器材、インプラント埋入用器材c高圧蒸気滅菌を施したインプラント埋入用器材。/d手術に使用する綿製品。他の器材と別に包装し、器材の乾燥不良を防止する。ガーゼや綿花、布製品などの多孔性器材はクラスB滅菌器を使用する/e滅菌済のサージカルキット。1回の手術で必要な滅菌ガウン、サクション、テープコードカバー、膿盆、覆布類が入っている(サージカルドレープキット)。 高圧蒸気滅菌を施した器材の一例(鋼製器材、ガラス製品、ガーゼなど)。 滅菌済器材の一例(手術用滅菌グローブ、サクションチップ、経鼻カニューレ、縫合糸、メス刃、手術用滅菌粘着フィルムなど)。図6 器材の滅菌から準備までabcde

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